幻の「THE有頂天ホテル」

映画って、ほんといいですよねー。

でも正直、見に行くのはちょっと面倒かなーって。

いま、外とか結構ほら、寒いし。
インフルエンザとかが猛威を振るってるし。

だけどやっぱ、話題には乗り遅れたくないなーって。


そんな私とあなたのための、
見てない映画を、なんとなく見たような感じにレビューする
「幻の映画」のコーナーでーす。


今回選ばれた映画はこれ!



THE 有頂天ホテル


まー、ざっと内容を予告から察するに、
晦日の夜にこのホテルで奇跡が起こるらしいよ。


で、これね、総勢23人の主役級の俳優たちが揃ったことで
注目を浴びてるんだけど、

もうね、まず誰が有頂天って間違いなく監督だよね。

あと、まぁオファーが来た俳優陣ね。


でね、色んな緻密な人間関係が絡まり合い
物語が進んでいくわけですが、
もうね23人ですからね、なんせ。

レビューとか書こうとかしたらね、えらいことになる。


とりあえずね、私の人生でね、23人もの人を
うまいこと転がした試しがないのね。

友達だって23人も、いねぇの。


それがイキナリ見ず知らずの23人について書けっつわれたって。


もうね私、自慢じゃないけど、軽く自分の生活のことだけでも
いっぱいいっぱいなんですよ。

まず洗濯機とかね、ここ1ヶ月、とんと回してないの。
このバスタオルも使うの五回目ですよ。


そんなあたしがね、たかが2時間半の映画にしろ、23人もの動向を
把握できるわけないじゃないですか、普通に考えて。

そんな時間があったら洗濯でもするっつーの。
明日どのパンツ穿けばいいんだっつーの。


続けます。



んでね、ハッとしたわけ。


じゃあさ、自分の事として考えればいいんじゃねー?って。

自分が24人目のアクターとして呼ばれた気になればいいんじゃねーって。


まさに逆転の発想。


じゃあってことで、

三谷作品に関われることになって、非常に光栄です。

選ばれたからには、何とかこのホテルを有頂天にすることに
全力を注ぎたいと思います。


で、「有頂天ホテル」という題名から察するに、
この物語をハッピーエンドに導くには、
2時間半でホテルが有頂天にならなきゃ駄目なんですよ、やっぱ。

で、ホテルが有頂天になるには、このホテルに関わった24人が
皆一様に有頂天にならなきゃいけないわけです。


そのためにセリフがあり、
そのために演技がある。


よし、みんなで一丸となって、有頂天になれるように頑張ろうぜー。


ほら、みんなが主役だかんねー。

1人1人の有頂天が大事だからねー。



1人1人・・・・。


1人1人じゃなくねぇ・・?


1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人1人。(総勢24人)




げー結構多い。
こんな大所帯、2時間半で全員有頂天になれんのかよー。


1人くらいセンチメンタルとかノスタルジックな奴が出てくんじゃねぇのー?

○○君が掃除してくれません!とか、

何、調子のって○○君とお喋りしてんの?
あんたなんて相手にされてないんだよ!とか、

やべぇ、白い巨搭の再放送始まっちゃうよ!とか、

昨日もカレーだったのに・・とか、

ほんと、そういうことも出てくると思うのね。24人いると。



あ、それより!


私は慌てて紙と鉛筆を持ち、計算式を書きなぐった。




150分÷24人=6.25



あー三谷やっちゃったー。

無理だー。

これ無理だー。


150分(映画の上映時間)

割ることの

24人(有頂天になる予定の人々)

6.25分(持ち時間)



無理だー。


さすがにあたしも結構テンションには自信あるけど、
6分で有頂天まで行くのは無理だー。

調子良ければ鼻歌ぐらいまでは飛び出すかもしれないけど、
持ち時間6分で有頂天までは行けない。


しかも、私だって鼻歌止まりなのに、あの役所広司佐藤浩市らが
6分で有頂天になれるとは到底思えない。無理だ。

恥ずかしがって「俺べつにアイツのこと好きとかじゃねぇもん」とか
言っちゃうタイプだ。無理だ。



でも、無理ってことは、すなわちアンハッピーだ。


どうしよう。



あ。



その時、私は思い出した。
始めにこの映画のストーリーを紹介したときの言葉を。


『大晦日の夜にこのホテルで奇跡が起こるらしいよ。』


そう、1人持ち時間6分で有頂天になる、奇跡が。



うん、とりあえず、やりくりしよう。


まず役所とか佐藤浩市は、20分はかけないと有頂天にはなれないだろうから、
多分、その分、はじめっから伊藤四郎あたりは有頂天状態で登場することを余儀なくされる。

松たか子とかも微妙だから、とりあえず香取慎吾は3分でいいや。

あたしだって、自分がもしSMAPの一員だったら、
多分2分くらいで有頂天決める自信はある。


そういうふうに助け合いながら、23人の中でも、最初っからほぼ有頂天状態で出てくる人、足を引っ張る人に分かれながら、ゴールを目指す。

そう皆で助けあって。



あ、でも結局、足引っ張ってる奴らの方が、長く映画に映ってたりしてて、正直ずりー。


ずりーから、やっぱ私、出ねぇー。




で、主役が奇跡的に23人に戻ったところで、
果たして彼らはお約束どおり有頂天になれるのか?

はたまた、なれないのか?

出番が少ないため人ほど、最初から有頂天キャラなのか?
セリフは何個あるのか。


そのへんが見所。


チェケラー!