一昨日の晩ご飯、思い出せるようになりましたか?

やっべー、乗ったバスに爆弾が仕掛けられてて、
スピード落とすと爆発するんだってー!


ってくらいの事がないと、もう彼氏とかできないんじゃないかなって
思う。


もうね、手と手が触れあったとか、ゲレンデとか、席替えとか、
その程度のイベントでそうそう恋とか生まれねぇっつーことは、
よく解った。

あれね、スピルバーグとかね、そういうあたりにね、恋のプロデュースして頂きたい。
(彼氏役は地球人でお願いします)



で、まあ、夢見るわけですが、

私のプライベートに絶滅したはずの恐竜とかね、やっぱ出るかって、正直出にくいわけですよ。

無人島に取り残されるかって、そうそう旅行にすら誘われてないわけです。


まーそんなわけで、恋とかね、トキメキとかね、もう胸がいっぱいで
ご飯が入らないとかね、

はたまた、ショック、悲しい、ご飯も喉を通らない・・とかいう事態に
幸か不幸か恵まれず、



太った。



どんくらい太ったかっつーと、弟いわく

「目を見張るものがある」

くらい。


つーか、久々に会う弟や友達なんかは、まー「太った?」とか「ふっくらした?」とか言うわけですけど、

毎日くらい会う職場の人々は、日本語の活用が、割とシビア。


「太ってる」


もしくは「太っている・・!」



まー、軽い現在進行形。

成長が、うかがえてる。



だってさ、恋をしないと、ご飯がおいしすぎる。

晩ご飯とか、前半と後半、ハーフタイム挟んで、二回食べる。

二回食べても、うまい。飽きない。うまい。


なんつって、やってたわけですが、昨日、



うちの病院の院長(白い巨塔)と薬局長(薬草とか作れそうなレベル)が、患者さんを囲んで難しい顔してるわけ。

婦長(パーンマネント(天パ仕立て))とかも入って、悩んでるわけ。

聞き耳たてるとさー「薬の量を決めるのに、この人の体重が」どうだこうだ言ってるわけ。

でも、その婆ちゃんの足腰つったらピサの斜塔より前のめりに
行っちゃってる。

ありゃ体重計とか、乗れないわけ。



で一方、私なんてね、この春で看護師も4年目。

ちょっとした中堅なわけですよ。

でね、たまたま後輩なんかも心配そうに見ててね、

もーほんと、おめぇ、まー見てろって!みたいな感じで病室に乗り込んだわけです。


ポカンとする院長と薬局長と婦長の間に入って、

もーばか!あたしに言いなさいよ!

ぐらいな勢いで


「私が患者さんを抱きかかえて体重計に乗って、
 私の体重引けばいいんですよー!」

なんつって、

もうね、院長にアピールですよ。
できるナースっぷりアピール。
婦長とか、多分、ちょっと泣いてた。


で、患者抱えて、体重計に乗ってびっくり。


お偉方が凝視する、その目の前で、

針がさ、想像以上に回って、(軽く2周くらいして)、

もー回りきって、120キロ超えて、止まった。

グーの音も出てなかった。

普通、体重計って、計ってる時、微妙な動きで針が揺れるんだけど、

こいつ、微塵も動いてない。
微動だにしてない。



「これは・・計れてないよね・・」(院長談)



そっと、舞台(体重計)を降りたら、
よほどのショックだったのか、針が120から戻ってこなかった。


重すぎて計れてなかった。



その後、見かねた後輩がダッシュで新しい体重計を持って、
オドオドとしてた新人時代が嘘のようなテキパキとした行動で、
患者を抱き上げ体重を計ってた。計れてた。


よくわかんないけど、双方うなづきながら院長たちが病室を出て行ったあと、

取り残された私に、婆ちゃんが ちっちゃい声で


「ごめん」


て言った。



壊れた体重計を持って、病室を出ると、
外で待ってた後輩が、
後輩っつーか、ルーキーが、


「その体重計、もともと壊れてたんじゃないっすかー?」


みたいなこと言って、私の肩を叩いた。


その後ろ姿が、すげぇたくましくて、

あいつ、あたしを超えたな・・って思いました。


体重も超えてくれねぇかな・・とも思いました。