おっさんがいる!
絶対いる!
最近、一人で居る瞬間とかに、ふいにおっさんの気配を感じるんですけど。
でも、見回しても、全然いない。
おっさん雲隠れ。
で、モトの姿勢に戻った瞬間、
ほら!
今、居た!
絶対おっさんが居た!
結構な数 居た!
っつー、忍び寄るおっさんの気配が、まさか自分の口臭だとは、
思いもしなかった。盲点。
敵もオッサンも、思いっきり本能寺にいた。
ほんと、母親とか、やたら偉大なもんで、
「あんた、口臭きついけど大丈夫?」
なんつって、ほんとね、全然大丈夫じゃないです。
「まじでー?!やべぇー」
なんつって笑ってましたけど、部屋に帰って、動揺しました。
ほんと武士とかだったら、腹とかちょっと切っちゃうとこだった。
まーね、薄々勘づいてはいたんだけど。
口腔内から団塊の世代の匂いがチラついてるなーって、
朝とかね、確実にちっちゃいオッサンが、ベロのあたりで寝返りうってる感じとか。
もうね、完全なる二世帯同居ですよ。
で、まぁ相変わらずのピン生活なんですが、
彼氏とかね、ほんと どんな呪文唱えればできんの?
何らかのボールとか、集めた方がいいかな。
ダンジョンとかがあったら、入った方がいいかな。
この口臭といい、モテなささといい、
ほんとはさ、自分で気付いてないだけで、
私だけ違う動物ってことない?
種族とか科目とか、ちゃんとみんなと同じ?大丈夫?ヒトの枠内にいる?
もうね、魅力があるとか無いとか以前に、
自分の生態系すら疑うくらい、危うい生活です。
エレベーターとかさ、なんならもっと故障してもいいと思う。
三回に一回くらい見知らぬ男性と閉じこめられるくらいが丁度いいっつーか。
ハプニングとかに、全然さいなまれないんですけど。
エレベーターが止まったり、
急に雨に降られたり、
曲がり角でぶつかったり、
昔の幼なじみの男の子が隣の家に越してきたり、
恋人のフリを頼まれたり、
一晩だけかくまってくれないか?とか、
追われてるんだ、とか、
このバスに爆弾が仕掛けられてるんだ、とか、
もうね、何でもいい。
口臭がキツイ以外の、ハプニングに かち合いたい。
気が狂ったようにハミガキしてたら、前歯の横がちょっと欠けた、
・・・以外のハプニングに かち合いたい。