お部屋カンタービレ!

なんていうか、なんていうか、普天間基地の問題に比べれば、
今の私の悩みなんて、とてもちっぽけなものなんだろうけど、


今、右隣の部屋の人が、確実にヤッテマス。

そして、左隣の人も、ヤッテマス。はい、確実に。

もー盆と正月いっきに来た感じになってます。


いやいやいや、まさかと。
反響してるだけではないか。

と思って、右壁と左壁に交互に耳を当ててみたわけですが、
間違いありません。両者互角です。

噂には聞いてましたけど、お隣さんの情事なんて、
今まで、一回も出くわしたことなかったのに、
初めてが、奇跡の同時公演。

右隣の部屋が おっぱじまったと思ったら、
左隣の部屋まであれよあれよと おっぱじまったよ。
これがオセロだったら、
私も完全にひっくりかえされなきゃならない場面ですが、
まさかの29年、引っくり返されず。永遠の白オセロ。


そんな私の動揺もよそに、両部屋、大人のぶつかり稽古が真っ最中なわけで、
しかもそれが、うちの部屋のベッドの枕もと一点においては、奇跡の高音質。
偶然の5.1chサラウンドシステムみたくなっちゃってる。

正直、私の方としては、もう23時ですし、
完全に消灯の段階だったわけで、
そこにきて、思いもよらない子守唄が聞こえだしたもので。
子守唄っていうか、もう、フェス。子守唄フェス。
圧巻としか言いようがない。


つーかね、こんな奇跡ってあんのかと?
願ってもない夢の共演になっちゃってるわけです。
何かとんでもないものが。

だいたい、左隣にいたっては、
先月末、住人が突然逮捕されてまして、
そこに越してきた完全なるニューフェイスなわけです。
もうね、ルーキーなわけです。
部活とかでいったら、全然、球拾いとかを頑張る段階なわけです。

それが、まさかの4番打者ですよ。
私がこの部屋に越してきて4年。必死に素振りしてる間に、
突然イチローが舞い込んできてるわけです、隣部屋に。

そして、突然、右隣の松井と奇跡のフリーバッティグですよ。
もう どんだけフリーなんだと。
ある意味、私もフリーだぞっと。
フリー具合なら負けてないぞ、と。

そう思って、必死に漫画を読んでみたんですけど、
もうね、四重奏がすごくて。奏で過ぎで。


もうね、すごい焦りが湧いてくるわけです。
漫画とか読んでる場合じゃなくなってくるわけです。

右も左もちょっとしたライオンキングがいるし、
ダァーズベンニャーカラチワワー言ってるし。

生命の息吹がね、すっごいことになっちゃってる。
息吹きってる。

もうね23時半なわけです。
息吹いてる時間じゃないわけです。

ここでもう、私としては鬼の鉄槌を下す時がきたと。
今日こそ、隣部屋としての必殺技を使う時がきたと。

で、まあ、満を持して、壁を「ドン」ってやったわけです。(必殺)
つーか、両部屋なので、右をドンってやってから、急いで左もドンってやったわけで。

それから、右壁に耳を寄せて、んで急いで左壁にも耳を寄せて、

まあ、両軍 滞りないことを確認しまして、

もーね、自分の存在意義をね、問いたい。
何、この二往復。
こんなに切ない二往復したことない。

一瞬、ちょっとした行司みたくなってた。
のこったのこった言ってた。
のこってんのは、どう見ても自分なのに。


いや、残ってない、残ってない、私、残ってない。
私は、アレなの。アレなんです。
きっとね、神様にお取り置きされてんです。
今、ちょっと取りに行けないけど、キープしておいて、みたいなね、
そういうことになってんです。


で、まあ、そういう立場について、
うちの部屋からも声明を出しておこうと思って、

1人じゃない!(いずれは!)ってことを伝えたい、と思って、

軽くね、ほんとに軽くだけど、
まあ、言ったよね。ジャブ程度に、あんを五乗くらい。

未来はこうなるよっていうのをね、
私なりの、エアギターで披露しました。



で、1分くらいでね、バラエティが尽きまして、
ほんと、お声に対する引き出し、全然なかったんで。

あとは、もう、ネットで見つけた、
「猪木ボンバイエ」を大音量で流してました。


したら、まあ、両隣から、ドンってやられたわけですが。


普天間に比べればね、ちっぽけなことなんですが。
ほんと、私もね、どっかに移転する時がきたのではないかと。