ねえムーミン

ディズニーのミッキーは残念ながらネズミだ。
ファンタジックなショーの中でキュートにミニーちゃんとチューする
ミッキー。

ネズミは繁殖が半端ねぇ。

でもディズニーランドは今日も人で溢れている。
ネズミは二匹だけ。

つまり、あいつらは未だに純潔ってことだ。


それはいいとして、動物をモチーフにしたキャラクターというのは、
数多くある。
ミッキー然り。
ティー然り。
のらくろ然り。

ただ一つ、納得いかないのは、ムーミン


いままで、数々のジャーナリスト達が口を酸っぱくして
ムーミンはカバである」ことを示唆してきた。

未だ、メディアの中でムーミンをカバと信じて疑わない中高年層も
多い。

しかし、この世でただひとり、ムーミンはカバではないことを訴える
人物がいる。


それはムーミンの作者本人である。

作者が言うのだから、それは絶対だ。
作者が言うのだから、認めざるを得ない。

じゃあ、ムーミンは何だ?風船か?



作者  「妖精だ」




ねーねーこれ、許しちゃっていいの?
みんな口元に手を持っていって、すげーキョロキョロしちゃいますけど。



私たち、誰しもが心に妖精を持っていると思います。
幼い頃、いつもお花の中には妖精が住んでいると思ってました。


えーっと、あいつでしたか?
あんなに重力に甘んじた方でしたか?
羽根のひとつも付いてませんでしたか?
もっと軽やかに花から花に飛び交ってはいませんでしたか?

カバなんて妖精と最も対極にある存在じゃないですか。
わくわく動物ランドで、カバがシッポを回しながら排便をする様子を
私は見逃しませんよ。
そんなの全く妖精の仕業じゃないじゃないですか?
あいつが夜中に靴とか作りっこないじゃないですか。

っつーか、むしろ24歳で未だに処女の私のほうが、妖精と言っても
過言じゃないですか!


でも、認めよう。
作者が妖精だっていうんだ。
作者はその世界において神だ。
ムーミンは、・・・・・妖精だ!




・・・・・・・・・妖精か?

いや・・カバが妖精っていうビジュアル的な問題に目をつぶったとして、あいつ・・妖精・・じゃないんじゃねぇ・・?


ってのはね、ムーミン谷でのことなんですけども、
あいつさー妖精じゃん?
ミーなんかは人間じゃん?
スナフキンも人間じゃん?
つーか、あいつ妖精じゃん?あいつのパパも妖精じゃん?


じゃあみんな、ここで例題ね。

みんながある日道を歩いてて、妖精に出くわした時のリアクション軽くやってみて。




はい!それっ!



そーだよね?
そーいう感じだよね。

まぁアクションの大小は人それぞれとして、でもさ、やっぱね、人間としてね妖精おがんだら、それはもうビックリが基本ですよね。

私なんかはね、迷わず高橋留美子ハンドですよ。

ところが、一方うってかわってムーミン谷。

ムーミンに出会っても、リアクション薄っ!
ミーに至っては「ムーミンなんか」扱い。
しょっちゅう騙されたりしてるわけ。

しかもムーミン、たまにすげー悩んだりするわけ。
星空とか見上げながら青少年の悩みとかこぼすわけ。

見てるこっちはたまんねぇーの。
おめぇ妖精だろって。
もっと妖精の自覚持てって。
スナフキンの方がどんだけ妖精っぽいかって。

例えば、スナフキンムーミン谷を去る感動のシーン。

スナフキン(人間)「春のいちばんはじめの日には、ここへかえってきて、またきみの窓の下で、口ぶえをふくよ。一年なんか、たちまちにすぎるさ」

ムーミン(妖精)「そうだね、じゃあ、ごきげんよう

サイコロ回してご機嫌うかがってる場合かっつーの。
おめぇ妖精だろっつーの、見送ってんなっつーの。
居着いてんなっつーの。


いいんですよ。
嫌いじゃないんです、ムーミン

でもさ、妖精の器かっつーと、どうかと思うんです。

しかも、このストーリーの中で、ムーミンが妖精であるってことって、一種の地雷みたいになっていて、誰もその点に触れないんですよね。

多分、ムーミン谷のみんなが怪しんでることは間違いないんですよ。
裏では「あーあのカバ一家?」みたいな空気になってると思うんですよ。


だからね、私はね、逆にねカバのどこが悪いんだって、ムーミンの肩たたきたい。
ミッキーだってね、ネズミの肩書き捨てずにやってきたんだぞって。
アラジン(魔法使い)もマーメイド(人魚)もピーターパン(相原勇)も堂々とネズミに支配されてるんだぞって。


カバでいいじゃん。(ぬるい目)