12月の詰め将棋

友達に新しい彼ができたので

じゃあ写真見せろや って言ったら

得意げに出してきた。

いやー、すこぶる用意周到過ぎて確信犯。


その写真が、まぁ・・、ディズニーランド?らしきところで軽くツーショット写真。


(いや、つーか絶対ディズニーランドだけど、
 つーかこの後ろに写ってるマルっぽいオブジェは
 ディズニーシーであることは間違いないけど、
 そんくらい私だって一目でわかるけど、
 絶対「これディズニーシー行ったの?」って聞きたくない!)


で、友達としては、早く聞いて、これディズニーシー行ったの?って聞いて!っつー顔まんまん。

でも私は絶対聞きたくない、
しかしそれ以外にこの写真に対し何の感想も浮かばない、
でも言いたくない、
これ言ったら負ける気がする。


という、女同士の緊迫する一瞬の中、

後輩の女の子が無邪気にこの前戦に突入してきて、

「わぁーこれディズニーシーですよねー!」

って、もうあんた!
これだら、二十歳前後の子ってのは、
こういう女同士の話したい!聞きたくない!の攻防が全然わかってない!

「あーわかっちゃったぁー?そうそうシーに行ったんだぁー」

ほらー、始まっちゃったじゃない!
シー話。

もうこれから、彼女の口からハーバーサイドクリスマスがこれでもかっつーほどのパレードを繰り広げちゃうよー。

って思った瞬間

「実は、私もこないだ彼氏と行ったんですよ、シー。もう超きれいで、超感動ですよねー。でーミッキがぁー」




鹿


2人は一気に団結し、ディズニシーの素晴らしさに付随(ふずい)した形で、冬に彼氏のいる素晴らしさを存分に語り尽くしたあげく

「ハイネも絶対行きなよシー、すごいから、価値観変わるから」



鹿



行ったことあるよ。

つーか、今、目をキラキラさせてるあんたと行ったはずだけど。
そしてカップルの波と抱擁に引き裂かれながらブラヴィッシーモを見て、
もう二度と来ねぇシィー!
って叫びあったはずだけど。


でも、なんか、写真に写ってた彼氏が、なんかレーザーラモンのマネっぽい、でもなりきれてない、土壇場で自分を捨てきれてない素振りで写ってたので、

ちょっとだけ微笑ましく見守っていくつもりです。