カリスミマ!

全国の今日怒られたみんなー!
そして昨日怒られたみんなー!
でもって、明日怒られるかもしれないみんなー!

円陣組もー!おー!


もーね、1個も怒られたくないんですけど。
いまだに、コンスタントに怒られる。
週5ペースで怒られる。


割とね、今まで軽い気持ちで人々に怒られてきたけど、
怒られるうちが花なんつってね、咲き乱れてきましたけど、
もう満開。ずっと見ごろを迎えてる。


なんていうのかな、
政権交代っていうのかな、世代交代っていうのかな、
そろそろね、怒る側からのオファーとかもあっても、
おかしくないっていうか、

正直、30歳ともなると、ビジュアル的にもね、
怒られるのに無理がでてくる。

怒られるギリギリの年齢ですよ。


10年くらい前に、怒られてる私を見て、先輩が、
「加藤。それは誰もが通る道だよ」
ってね教わったんですけど、

驚くことに、私この道しか通ったことがないんですけど。
10年、1本道。
完全に、この道から出られないんですけど。
ほんと、この道であってる?行き方、あってる?


で、そんな私がですね、満を持してこの春、
何かの手違いで奇跡の大学病院に転職いたしまして、

もーね、びっくりするくらい、パチンコで言ったら確変くらい、
怒られてます。

玉、すげぇ出る。


なんていうかな、大学病院って、ざっとでかいよね。
怒る人の分母がね、もう全然違ってきたわけ。

もうね、「あの人すぐ怒るからなー」とかのね、
目星が付けられるようなもんじゃないわけ。

いうなれば、ドラクエみたいなもんで、
るんるん気分でフィールド歩いてるだけで、
突如「センパイがあらわれた」つって戦闘画面に突入するわけで。

もうね、「逃げる」のコマンド、連打してんですけど。

あと、まあ、昨日なんかは、軽くよそ見をしててね、

かっこよくレントゲンを掲げながらウインクして、
なんか言ってる先輩に
「まかせて!私が運びますよ!」つって親指グーつって、
飛び出した先が、白い巨塔でしてね。

白い巨塔の院長行列の、
そのど真ん中の院長に思いっきりヒットしまして。

ほんと、少女漫画だったら、院長、今日あたり、
うちのクラスに転校してくるんじゃないかってくらい、
思いっきりぶつかったんですけど。

したら、もー院長を頂点にして、
副院長、事務長、外科医長みたいのが、
もーね、ボーリングみたいにね!

まさかのストライクとるかと思ったんですけど、
3列目が意外と粘りまして。


まあ、その後ね、これがあのバルスかな?ってくらい、
怒られたんですが。

目がー目がーって、なるくらい怒られたんですが。

でも、なんつーか、私もなかなか結構転んだもので、
若干、肩をね、やったみたいなとこあって、
すげえ肩を押さえてたんで、
のちに、この春一緒にこの病棟に入った新人(22歳)に、
超かっこよかったって言われたんですけど。
負傷しながら怒られてる感じが。



で、まあ、今日、
その22歳(新人)とわたくし30歳(10年来の新人)と、
すげぇ怖い先輩で仕事をしたわけで。


その怖い先輩は、なんていうかなー、もうね、すっごい怖いの。
怖い100%。
どこを切っても怖い。

外交のカードとして使えるんじゃないかなってくらいの、怖さ。


で、まあ、3人でナースステーションに座ってたんですけど、
なんだろ、
まだ、何も起こってないのに、
私も後輩の子も、なんかイスにちゃんと座れてないのね。

怖すぎて、その人の威圧で半ケツ状態なわけです。
なんかわかんないけど。

怖すぎると、イスに座れなくなるってことを、
今日発見しました。


で、まあ、仕事って、チームワークなわけですよ。
なんていうか、声の掛け合いが大事なわけですよ。

「昼休憩、誰から入りますか?」とか、
「この入院、誰が取りますか?」とか、
「田中さんの薬、ここに置いてありましたよ」とか。

でも、なんか、あら、先輩 結界張った?
強い結界張った?

ってくらいの、なんつーの、すごい感じになってるの。
気が。
スカウタ―つけてたら、ぐんぐん数値が
「1000・・・2000・・・5000・・!!!」みたいな
雰囲気なの。


で、もう、怖い先輩が、怖いくらい忙しそうなの。

私はね、もちろん後輩に目線を送るわけ。
「お昼だよね」っていう目線を。

後輩も「完全なるお昼です」って目線を返してくるわけ。

「3人でここにいても仕方ないから、
 誰かはお昼に入らないとね」って目線を送ると、

「むろん」って目線が返ってくる。


ただ・・・、お互い、言いだせない・・・。
サイヤ人に「お昼行きます」て言えない・・・。


まあ4択問題なわけです。

A 先輩、お昼、どういう順番で入りますか?
B 先輩、先、お昼に行ってもいいですか?
C なんか手伝いますか?(ひと段落ついてるアピール)
D 先輩、先、お昼入りますか?

もう、口とかね、カラカラになってくるわけです。
緊張で。

ナースステーションが一瞬でミリオネアに化すわけです。
お昼ご飯を賭けた挑戦。


したら、後輩がね、震えながら、
みのもんたに向き合ったわけ。

あの後輩、いつかやると思ってた。
ゴールを決めてくれると思ってた。


「先輩・・・、おおお昼、・・どういう順番で入りますか?」


決まった――――――――!
(言った――――――――!)


先輩「・・・・・見てわかんないの?」


打たれた――――――――!
案外、さっとスタンドに運ばれたー!


あ、後輩、マウンドに立ちつくしてる。
膝から崩れそう。

そうだよ、見てたらわかるよ。
先輩を見てたら、おのずと答えはある!

ここでは新人でも、看護師歴なら10年目の私の出番とばかりに、
キャッチャーの気分でマウンドに駆けあがって、
ピッチャーを支えながら、

「あ、じゃあ、私たちからお昼入った方がいいですよね!エヘヘ」

つったんですけど、

先輩「加藤さんって、手伝う気、全然ないのね」

つって、すぐバレタ――――――――!
球種ごとバレタ―!



で、「手伝います!」つって伸ばした手で、
先輩が綺麗にわけて置いてた薬をザーって落としたのは私です。


あ・・今、スカウタ―つけてたら、多分、壊れたな。
って瞬間があったんですけど。


放課後、その伝説のザーを、後輩が何回も
他の後輩たちに再現して、
私の右手を「神の手」つってくれたので、
この病院でも怒られのカリスマとして、どんどん名をはせていくつもり。


新人たちが、いつかあんなふうに怒られたいと思えるような、
そんな先輩をこれからも目指す!!