色々考えたけど、やっぱり私は

去年のクリスマスについての考察をします。


あの日のメリークリスマス!およそ3か月前。
音速の貴公子かしらってくらい駆け抜けてった12月24日。

30歳のあたしのイヴ。
記念すべきクリスマス・イヴ。
・・・職場の忘年会でした。

あるよね。そういうこと。社会人だもんね。飲ミニケーションっつーの?
大事だよね。職務だよね。うん。


集まったの5人。
幹事すらいなかった。

「場所はバシっと決めといたからー(BY 幹事)」とのこと。

「・・う、うん・・」つったよね。もう先輩相手だったけど。
苦虫100匹くらい噛みつぶしたような顔したよね。

したら、その先輩に仕事のあとに呼び出されまして、
1個謝らなきゃならないことがあると。

もうね、そりゃそうでしょう、と。
1個でも2個でも存分に謝ってくれと。

そしたら先輩が、
「加藤さん、私さ、彼氏と別れたって言ったけど、
 ヨリがね、戻りました」
とね、謝罪とは一線を画す発言をされまして。

「彼と別れた時、私も結構ヤケになってね、
 幹事とかね引き受けてしまったけど、ほんと、ごめん」
とのこと。

私も大人ですからね、まあ責めるのもオカシイので、グッとこらえて、
「それはね、しかたない。しかたないです。」と言いました。

したら先輩は、
「ヤケって怖いね。加藤さんはヤケになっちゃダメだよ」
みたいなことを超言うので、
「安心してください、私は大丈夫です」ってね胸を張ったんですけど。

先輩はその後も数回に渡り、
「ヤケって怖いよ、お酒飲んじゃうし」
「ヤケって怖いよ、勢いがあるし」
「ヤケって怖いよね、もう一人の私っていうか」
「気が付いたら電話とかしてて、ヤケこわぁ〜」

と、ヤケについてとくとくと語り、最後に、うなづきながら、

「ほんとヤケって怖いから。忘年会の居酒屋ね、
 「SMAP」で予約してっからお願いね。あーヤケって怖い」
って言ってました。

私ね、ヤケになるなら今かなって思ったよ、先輩。


で、クリスマスイヴに居酒屋・魚民に集結したの5人の勇者なんですけど。
ほんとね、死んだ魚みたいな目でね、魚民スタッフの歓迎を受けたんですけど。

「ご予約のお名前は?」ってね、澄んだ瞳で尋ねられたんで、
神にも祈る気持ちで「7時半から…ス……スマップ…で予約…して…」って言ったら、まさかのノ―リアクションで、

5人でね、もうね、このノ―リアクションこそ今年のクリスマスプレゼントでもいい!って微笑みあったんですけど、

座敷に案内してくれるスタッフがね道すがら
「ご予約のスマップ様ご案内ー!!」
つってね。

もうね、ここ魚民じゃなくてMステじゃない?っつーくらいの花道をね、
お客様の歓声と共に通って、座敷に辿り着いたんですけど。

もし高村光太郎がいなかったら「道程」って詩は私が書いてたかもしれないってくらい、この遠い道程のため…この遠い道程のため…って思った。


そんな忘年会ですが、一応ビンゴとかね、やりました。SMAPで。

SMAPと呼ばれる私たちですが、
正直、微妙にね、このメンバーで飲みに来たこと1回もないっつー、
さぐりさぐりの関係性でね、

開始5分で会話に一段落つきまして、
まるで相席を余儀なくされた5人のように、
黙々とビールを飲むサムライみたいになったんですけど、

もうね、私も必死に会話のパスを回したんですけど、
長友くらいピッチを駆け回ったんですけど、
全く得点に絡めず。

んで、開始10分で、幹事から貰ったビンゴの景品を袋から
出してみたんですけど。

ほんとね、ヤケって怖いね。

景品の1位がディズニーチケットで、2位が図書券で、
3位がバットでした。野球の。

正直、幹事から景品袋をあずかった時から もしや…って思ってたけど、まさかのもしやだった!案の定 もしやだった!

そこから、粛々とビンゴをやったんですけど、
今日集まってしまったって時点で、どう見ても運の悪い5人しかおらず、ビンゴのくせに1時間半という長期戦にもつれ込んだ上に、
5人しかいないので、なんと私が3位に食い込んだ。

あまりに長丁場すぎて、私、3位になったとき、思わずガッツポーズしたわ。

したら、もうビンゴで奇跡の友情が芽生えてたみたいで、
「加藤!」「加藤!」って熱いコールを受けて、
手を振りながら景品を受け取りにいったら、

もうね、全然バットなわけです。

包み紙もね、包むっていうかグリップのあたりにちょっと巻き付いてるだけで、完全に5分の4くらいバットが見えてるわけで。

したら完全に酔っぱらったメンバーの1人が
「開けてみてー開けてみてー!」つって、
他のメンバーたちも「見せてー見せてー!」つって、

もう完全にバットなんですけど、
私も軽く素振りしつつ「何かな―何かな―!」つって、

慰め程度にくっついてる包み紙を丁寧に小指立てて外して、

「わぁーバットだ―!!」つって、
「いいなーいいなー」って言われて、
「あー、ずっと欲しかったんだー!」つって、

一通りの儀式を終えたあと、
幹事の先輩に、もう先輩後輩の垣根を越えて
「明日ケツバットな」ってメールしました。

「ヤケになっちゃ駄目☆」って返信が来ました。