ボールは友達・・・(続・幻の「ローレライ」)

ねぇどうしてもどうしても書きたかったこと、書いてもいい?
そろそろ旬は過ぎたかなと思って。

つーかね、映画好きとして、いや専門的なことや当を得た意見はちっとも言えないんだけど、どうしても、これだけは言っとかないと、前に進めなくて。


ローレライについて』


見たんだけどね、だいぶ前にね。
でね、どうしても納得いかないことがあってね、
それをね、どうしても、みんなに伝えたくて。


いやね格好良かったよ、妻夫木くん。
星飛雄馬みたく目の中、炎出てた。熱かった。
命をかけてヒロインを守ろうとする姿、素敵だった。

役所広司、おめぇも良かった。
最後まであきらめるな!って言葉、いかしてた。
潜水艦と運命を共にしようとする姿、素敵だった。

柳葉、おめぇ偉いよ。
自分の命をかけて死を覚悟で、高電圧の電圧器に向かって潜水艦を動かした姿、泣けた、素敵だった。

堤真一にしても石黒賢にしても、立場は違えど、男だった。
自分の使命を命をかけて全うしようとする姿、素敵だった。

名前をイマイチ思い出せない乗組員一同もすげーイイ仕事してた。
庇ったり、戦ったり、立ち向かったりする中で、傷つき、それでも自分の信じた道に向かって、それがローレライなんだなって・・・

あれ・・ちょっと・・佐藤隆太さん・・?




えーっと、みんな各々、自分の使命を全うする中で散っていった。
使命を全うするっつーか、全うまではいかなくても、何らかのローレライ関係で死んでいった。


えっと、佐藤隆太さん、えーっと、この方もね、惜しくも命を落としてしまうんですがね、

もうね、それがもう、びっくりの理由なんですよ。


あのね、戦艦ものなんですよ。しかも第二次世界大戦中っつー設定。
しかも周りを敵艦に囲まれて、言うまでもなくピンチなわけですよ。
そんな中でみんな四苦八苦してる中でね、


この子ね、何を間違ったか野球ボールを拾おうとして手が挟まって死んじゃうんですよ。


出る映画、間違ってない?
来春あたり公開の「タッチ」じゃねぇの?

目をね、疑いましたよ。

いやぁ、やけにね、野球ボールを持ってる場面が多いななんて思ってたわけ。
「戦争がなきゃ野球選手になりたかった」とか、まあ、そんな思い出話もあったわけ。

つーかね、戦時中に野球ボールなんて持ってきてるとこから、危ないなあって思ってたわけ。持ち物検査、引っかかるわけ。

潜水艦でキャッチボールなんてね、まず禁止なわけ。ここ戦場ですよ?

でね、まさか、非常時にはカバンにしまっとけよ、って思ってたわけ。

でもね、あいつ聞かねぇから、案の定持ち歩いてるわけ。
んで、非常時にポロっと落とすわけ。
拾おうとするわけ、んで手が挟まって抜けなくなるわけ。


それがね、どんな非常事態だったかっつーと、敵艦に思いっきり包囲されまして、ローレライ(潜水艦の攻撃の中枢)と潜水艦を切り離すよっつーテンヤワンヤノ大騒ぎの時。

しかも切り離す丁度、その切れる部分にて。
もうね、一番、ボールなんて落としてちゃ駄目なシーンじゃないですか。

全艦放送で『ボール拾おうとして手が外れない』って言ったとき、多分乗組員全員が「マジで!」って思ったと思う。
役所広司の名文句「あきらめるな!」も、この時ばかりはすっかり出ませんでしたからね。

でね、結局、彼は彼なりに散っていったわけですけどね。

私としてはね、親心としてね、目も当てられないわけです。
脚本家でも監督でもいいけども、そりゃないんじゃないのー?って、もうね訴えたい。

だってね、数々の人が、自分の使命とローレライのために命を落としていく中、佐藤くんだけ完全なるケアレスミスですからね。

うっかりもいいところですからね。
しかもね、野球ボールなんていう、ローレライにこれっぽっちも擦ってないモノによって。



つまりね、何が言いたいかってしおりに書いてないものは、やっぱ持って行っちゃ駄目なんですよ。
バナナはおやつに入りませんし。