あたし、次の曲がり角で出会った人と恋に堕ちてやる!
加藤はいねです。
思いこんだらウンコが出なくなるほど好きな人がいます。
でも、それはもう10カ年計画とかで牛歩の如く近づいていく予定なので、いいのです。
でもなー、そんな私を嵐のように奪い去ってくれる男性がハーレクイーンのように、ある日突然(通例としては異国で)出会うことも、ちっとも諦めてません。
「そんな漫画やドラマみたいな男いないよ、
いい?はいね?男ってのはね、生々しい生き物なの。
でかいし、鼻の穴もでかいし、うんこは長いし、
気を抜くと臭ってくるし、体を張るし、
筋肉番付を見ては俺だったらもうちょっと行ける、とか、
ミリオネアを見てはアー今の問題おれなら解ったのに、とか
常にテレビにガチンコ挑むし、
しかもトイレの場所を聞くときの顔も真顔なのよ?」
って友達はね、言うけど、私はね信じてるわけ。
この世界に男なんて、すげーたくさんいるわけ。
絶対にいる。
一人くらい絶対いる。
だってね、この世界で、私がいっぺんも見たことがない幽霊を、見ちゃった・・って言う人も結構いるんだよ。
したっけね、漫画みたいな男の子に会っちゃったっつー人も絶対いるはず。
だからね、私だって日々捜してるの。
私のために甲子園目指してくれる人を——
私のためにトラックの前に飛び出してくれる人を——
転校初日に曲がり角でぶつかってくれる人を——
お忍びでやってくる王子を——
雨の日に公園で猫拾っちゃう不良を——
ファンから逃げてきたアイドルを——
幼なじみだったお兄ちゃんがうちの学校の数学教師になるのを——
なお、こういう人は遠慮します。
真っ白に燃え尽きちゃう人。
ボールが友達の人。
海賊王目指してる人。
じっちゃんの名にかける人。
捕れないボールはあるものかの人。
ドラゴンボール集めてる人。