マンダム

昨日久々に父さんとビールを酌み交わして、

「えーおまえ何歳になんだっけ?」 っつーから

「あ、25」 つったら

「げー」 つーから

「げー言うな」 つったら

「なんかそのうち抜かされそう」 つってた。

ばーか。


25歳です。


ついこの前、

ほんと、自分としては、ほんのついさっき、


あ、しつれーしまーす、あ、どーもー、お気遣いなくー

みたいなよそよそしい感じで20代の門をくぐったつもりなんですけど、


いまや、この貫禄。この哀愁。

もうね飲酒がどうとか関係ない、
カウンターで「バーボン」とか言っても、全然違和感ない。


でね、このようにね、20代も後半に差し掛かってくると、色んなものを出さないといけないわけ。

貫禄や哀愁もモチロンだけど、

3回に一回は「色気」とか、たまにちらりと見せる「家庭的な面」とか。

そういう色んなもんをね、ひっきりなしに出したりしまったり、もっかい出したり、出すとみせて匂わせたり、そういうことをね、エレガントにやらないといけないわけ。


もうね、あたしの厨房はね、火の車ですよ。
次から次へと飛び交う注文に、ウィームッシュ言い過ぎて、軽くてんてこ舞い。


忙しかったんだろーなー。

たまに注文を間違ったりも、やっぱするよねー。

うん。



えっと、なんか2週間前くらいから、すっごい勢いでヒゲ生えてくるんだけど。

あきらかなオーダーミス。

ヒゲ求めてねぇ。

独身女性の1人暮らしに、ヒゲは不要。

防犯対策で男物の下着を干すことはあっても、
男物のヒゲが生えてくる必要は無い。

男物の下着を干してる上に、ヒゲまで生えてきちゃったら、
それもう完全に男の1人暮らしが始まっちゃってるから。


仕方ないので、友達と薬局を散策しつつ、

「あたしさー、ヒゲたくわえてきた」と白状すると

「実はあたしも。
 右マユと左マユゲが国交回復しようとしてる」

つーのでよく見ると、
本当にバイパスが通りそうな勢いがあったので、

仲良く肩を抱き合いながら、シェーバーを探した。


「あ、これ私も使ってるんだけどイイ仕事するよ」って私が手に取ると

友達はゆっくり組んだ肩を解きつつ、

「さすがに、女として三枚歯に手を付けるのはちょっと・・」

だってさ。


うちの洗面台はシェービングジェルやら三枚歯やら、もうなんか、ホントは隠れてっけど、どっかに彼氏でも暮らしてるんじゃないかっつーくらいで、

微妙に生活に潤いが出てきちゃいました。


まぁ、軽い蜃気楼ですけどもー。