明日に向かって撃て!(26歳)

ほんと、明日とか半端ねぇ。
がぜん、誕生日な気がしてきた。


一年、すごい早い。
思ったより早めに来た。


誓ったはずだった。
丁度、一年と一日前。


「来年の誕生日こそは、ワイングラスを男性と傾けたい」って。


そう強く念じたはずだったんだけど、
そのために色々、水面下で動いていくはずだったんだけど、

やっべー、「銀河 流れ星 銀」とか読んでる場合じゃなかった。
ほんと犬おっかねー。


いや、犬っつーか・・。


あたし、びっくりするくらい、微動だにしてなかった。
一年もあったのに。
水面下っつーか、水面にすら辿り着いてなかった。
思いっきり、陸。
疑いようもなく、陸地。


誕生日まで残すところ、あと、一日。

今、私ができる精一杯のことつったら、せいぜい燃えるゴミをちゃんと出すくらいのこと。

せめて生臭くない部屋で一日を安楽に過ごせること。

ただ、それだけ。




・・・・やべー。

絶対、誰にも誕生日だってバレたくねー。
こんな誕生日を過ごそうとしてることバレたくねー。

さっぱり、予定ねぇの。


ほんとね、私の誕生日とか無闇に週末にぶつけるの、
お願いだからやめて欲しい。

明日とか、土曜じゃん?
間違いなく、土曜じゃん?
土曜、来るじゃん?

土曜とかってアレでしょ?

チャゲアスチャゲじゃない方が、朝まで君を抱く って言い放った曜日でしょ?

余計なお世話だっつーの。




あーもういっそのこと、
あたしは薔薇のさだめに生まれちゃったとかいうことない?


いや、聞くまでも無く、薔薇方面からのオファーは無いんだけど。

つーか、「薔薇のさだめ」っつーのにどんな役割分担があるのかも、よくわかってないんだけども。

いーなー、と。
闇雲に。

「さだめ」とかね、いーよね。
ちょっと燃えちゃうよね。
がぜんやる気でちゃうよねー。

誕生日だけど、薔薇のさだめだから仕方ないっつーことになるよね。
いたって自然な感じで、そういう運びになるよね。


もうさーだってさー、明日とか、絶対、暇なわけ。
今日も、勿論、全然暇なんだけど、とりあえず明日。


明日。つーか、むしろ明日の0時とか。

もうね、26歳になったその瞬間、二度と無いその瞬間に、
多分ほんと申し訳ないくらい棒立ち。
全く足動いてねぇ。

今のところ、これといって、舞踏会にもお呼ばれしてませんし、
アルマゲドンを阻止するメンバーにも選抜されることなく、
閣僚入りの代診も一切なかったわけですし。


で、ちょー暇だと思うのね。


なのにこの瞬間、どっかの別れ際の恋人達なんかは
「どうか時を止めて!」
とか平気で願ったりすっから、ほんと油断も隙もあったもんじゃねぇ。

もーね、そんな物騒な考えを持った二人と、私を交えての三者面談になってもいい。

そうそう止められて たまっかと。
むしろサクサク流れて欲しい。
いっそ、巻いてこう!って、机を交えて、訴えたい。


そんなことをシュミレーションとして考え込んだとしても、
正味 五、六分の話で、すぐ暇になるっしょ?



あー、いっそ丸一日 寝て過ごすかー。
むしろ、それが薔薇のさだめだろ!って


まー思ったりもしたんですけど、


今さっき、すげぇカレーをこんもり作っちゃったんですよ。
給食のおばさんかっつーくらい作っちゃったんですよ。

で、食べちゃったんですよ。

もーね、モリモリという言葉に相応しい食べっぷりで、

まさに腹が減っては戦はできぬ くらいの摂取能力を垣間見せたんですが、

やっべぇ、日本が結構平和だったこと忘れてたー、
ほら貝を吹く音とか、さっぱり聞こえてこねぇ。
とりあえず、あたし吹いとこっか?っつーくらい物音一つしない。

エネルギーは満ち溢れてるのに、迫り来る誕生日に、
ほら貝吹く以外の予定がコレといって無い。
マジで。


明日さー、もしさー、ブラウン管に突如 貞子が井戸から現れて、
ブラウン管から這い出てこようとしてたら、

むしろ手貸して引っ張り出してあげるね。

「もー貞子ったらどんくさいんだからー」とか言って。
「あ、足元気をつけてよー」とか言って。

「つーか、井戸登ってまで会いに来るって、
 結構、貞子ガッツあんな。」とか言って。

したっけ、貞子が、

「だって加藤さん、今日、誕生日でしょ・・?」

みたいな。


やばい、ちょっと泣ける。