丑三つ時に、手描きのネコのトレーナーで、おでん買いに行ったんですけど、
もうね、全然カッコいいんですよ、店員が。
制服とかね、何それ、どこのブランド?ってくらいで。
かたや、私の着てるものって言ったら、
冒頭で述べた通り、ほんとね、申し訳ないくらいネコでね、
ネコつったってね、キティとかねおしゃれキャットとかね色々あるわけなんだけど、
もうね、作者不詳。
まじまじ見たけど、心当たりなし。
著作権とかね、全然主張してこない感じ。
そんな私にね、カッコイイ男の人が「いらっしゃいませ」とか言うわけ。
もー断固として、いらっしゃいません。
なんて言えばいいかな。違うんだよね。
かっこいい人とかね、見たいよ。会いたいよ。喋りたいよ。
機会さえあれば、ちょっと触ったりもしたい。
でもね、違うんだよ。
T.P.Oって言うかな。
午前三時のコンビニにおける、カッコイイ店員の需要と供給っていうかさ、
もーさ、全然求めてないんだよね店員のかっこ良さとか。
むしろおでんを乞うて乞うて、ここまで来たわけ。
なのに、この、ふいなイケメンとの遭遇。
ちょっとした抜き打ちテストみたいなイケメン。
そんな彼が、なんつーか、おでんを汲む間、
あたしのトレーナーのネコを見すぎ。
飼ってくださる?っつーくらいの凝視。
おでんとかね、ノールック・ワンタッチパスで器の中入れてた。
私も、あんまりに見られるもんだから、もうカツカツになって、
昆布二つしか頼めなかった。
もーいいです。って。
昆布二つで、勘弁してください。
お箸は?って聞かれて、
二膳!ってワンツーで見栄張ったけど、
午前三時に昆布二つを二人で食うって、
どんだけ貧しい設定なんだよ。
って思って、形勢逆転を狙い、
あえて、一万円を出してみたこの計算高さ。ちょっとしたツンデレ。
したら、彼がちょっと、「え?」みたいな顔して、
あれ、おつりの千円札足んねぇ、みたいな顔して、
「少々お待ちください」
とか言っちゃって、奥に消えた。
超1人。
何か無意味に携帯とか出してみたけど、
無意味にスクロールしてみたけど、
で、また しまって、
「えっと・・・いいですよー細かいのありますよー」
って叫んでみたんですけど、音沙汰無し。
道中で何かの事件に巻き込まれた?ってくらい、反応なし。
その間に、何か場末のカップルが入ってきて、
「え?」って顔して出て行ったし。
私も、なんつーか、つらくて、
そっと店をあとにしました。
なんか「少々お待ち」の範囲を逸脱してたし、
おでんとか、完全に湯気出す気力を失ってたし。
で、もう一個の方のコンビニに行ったんだけど、
もうね、見事な店員で。適材適所。
完全にアウェーな顔立ち。
アウェーっつーか、私からしたら、ホームみたいな。
帰って来た…みたいな。
もう、ネコとかね、もっと見て。全然見て。一緒に育てよ。はぐくも。
おでんは、でっかい器で。
つゆとか、少なめで。
いやー、会えて良かった。
君に会えて良かった。
お父さんとお母さん、最高なコラボ。
午前三時にコンビニでレジ打つために生まれてきた感じ。
私の両親のセッションも捨てがたい。
午前三時におでん買うために生まれてきた。
髪型だけは、ちょっと玉木宏に似てた。
すげぇキマッテタ。
無造作を欲しいままにしてる。
あたしも、結構 枠に囚われない髪形をしてたから、
その辺もドローで。