ついてるかついてないかで言ったら、あたしはついてる。
いたって健康だし、金に困ってもいない。
暴力振るうような彼氏もいないし (彼氏もいないし)
浮気するような夫もいない。 (夫もいない)
ついてる。
って思わなくっちゃやってらんない!
ねえねえねえねえ
象さんのお鼻はどうして長いの?
キリンさんのお首はどうして長いの?
おばあちゃんのお口はどうしてそんなに大きいの?
あたしの改札の前の人はどうして「ぴんぽん」ってつまるの?
あたしの頼んだデザートはどうしてメニューと変わり果てた姿なの?
あたしのヌーブラはどうして胸にくっつかないの?乾燥肌?
あたしの足はどうして水虫なの?
そう水虫。
いま、あたしをもっとも悩ますもの、それが水虫。
いつ誰からもらったのか。
それとも私が発祥の地なのか。
この水虫を、明日までにどうにかしたい!
時は一週間前に遡る。
『こんにちはー!加藤はいねでーす!みんな元気ー?
ねえちょっと聞いて、
私は今日ねマッサージ屋さん(健全)に行ったんです。
したら、そこの店員が若い男性でしてね(不健全)
なんつーかマッサージの30分間ね
淡い思いを紡ぎ出したわけですよー(乙女)
でね、彼がね(いわば私の)彼がね言うんですよ』
『加藤さんは立ち仕事だから
来週あたり、足もやってみるといいですよ』
んで、ぺ・ヨンジュン並の笑顔ですよ。
もうね私が二つ返事で予約したとしても、誰もあたしを責める事はできない。
あー楽しみだ。
明日はこの足を彼に揉まれちゃうんだなあ・・デヘヘ・・・
この足を・・・
このあ・・・
あ・・・
あーーーーーー!!!!
ですよ。
「もう、いいの」
「ほんとにいいの?彼、待ってるよ?」
「すぐに私の事なんて忘れるわよ」
「でもハイネは忘れられるの?」
「忘れられるわけないじゃない!でも今更どの(足の)面下げて彼に会えっていうの!」
「ねぇ、はいね。彼がそんなことで人を判断すると思う?」
「・・・あ。でも・・でも・・怖いの・・」
「彼を待ちぼうけにさせていいの?」
「・・・・。タクシー!」
駆け込んだ店。
あたしのもとに舞い降りたのは、全然違う50代の女性店員でした。
「あーお客さん、水虫ひどいねぇー!」
静まる室内でカーテンごしにビブラートのかかった声が響き渡ってました。
あー隣のベットは部活帰りのイケメン高校生集団だったなあ・・
・・・まぁ・・彼にばれなくて良かった!あー良かった良かった。
足も随分軽くなって軽快にシャッてカーテン開けたら、隣のカーテンから彼が出てきました。
そう、ついてるかついてないかで言ったら、あたしはついてる。
(桃鉄の人気者が!)