ガク君、絶対さ、加藤のこと好きだって。結構マジだって。
って友達がすんげー言うから、
いやいやいやいや、ないないないない、それはない
なんて言いつつさ、
うん、あの人、アタシのこと絶対好き。
どうしよう面倒だなあ、今彼氏とか作る気ないのに。
でもあっちからアクション起こしてこないし、適当にあしらっておけばいっか。
ウッシッシ。
って思ってた人が、びっくりするほど、こざっぱりアタシの事を好きじゃなかったって判明しました。
つーか、友達の方を好きでした。
なんつーの、無益な殺生とかホントさ、すげー罪と思うのね。
あたし、なんかちょっとした失恋っぽい気持ちになっちゃってんだけど・・。
どうしてくれんの?
「あいつはさ、結構抜けてるからさ、俺がやっぱいなくちゃ駄目だなって思うんだ。」
の、「あいつ」になりてぇーよ。
あたしだってね、宿題は大抵忘れる方だし、転べばワカメのようにバンツしかも木綿が見えるし、結構ねー抜けてると思うわけ。
「あのこさ、すげぇ人に優しいんだよ」
の「あのこ」より絶対あたしの方が優しいっつーの。
蚊がさ腕に止まったってさ、あーこいつ、よりにもよって蚊に生まれちゃって、その上つぶされるなんて可哀相すぎるぜー!なんつって、「まぁたんと、おあがり」ってね、腕差し出しちゃったりすっからね、あたし。
「彼女、あれで結構しっかりしてたりするんだ」
っていう「彼女」が男と別れて、立ち直って、恋して、あんたと付き合うまでの1クール、
私はずっと一人で暮らしてたくらい、私はさ、彼女が泣き崩れてるあいだもずっとしっかりしてたのに?
恋がしたいのに。
できればもういい歳だから、脈ありの恋がしたいのに。
って思ってる矢先、
最近、「奥様は魔女」の映画のCMを見るんだけど、あれってどうなん?
みんな的にどうなの?
あたし的にね、奥様、しかも魔女っつーとさ、ある意味バリューだと思うのね。
鬼に金棒だと思うのね。
でも何かさあいつもあいつなりに悩んだりするとこあるみたいで、
魔女だから・・恋できない・・みたいなシリアスムードかもし出したりして、
切ないラブストーリー奏でてるみたいだけどさ、
魔女じゃないほうが、人生よっぽどツライから!
魔女じゃなくたって、そうそう恋なんてうまくいかねぇってことに、気づくべき。
つーかむしろ、あたしが男だったとして、彼女が魔女だったら、そうとう嬉しいと思うのね。
恋人とドラえもんを一気に得たみたいなもんでしょ?
人生に敵なし。
だからね、冷静に考えて多分、私より先に魔女に彼氏ができると思うわけ。
そうやってさ、「恋がしたい」「結婚したい」「幸せになりたい」って浮かない顔してるヒロインたちが、どんどん私を抜かして私生活にダンク決めてくわけ。
私なんか、その横で必死で「ヘィヘィ」言ってパスを乞うているわけ。
たまに飲み会で男女4人ぐらいでワーってなって、
夜の公園で、可愛いとこ見せようと思って、
アンニュイな感じでブランコに乗ったら、
おしりが外れなくなって、
(え・・・)って思って、
でもおしりが外れなくなってる事実をみんなに告げるタイミングをさっぱり失って、
(”やだぁーオシリ外れなぁーい”って言え!ほらっ!いまっ!)
って焦ってる間に、もう一人の女の子の昔の恋の込み入った話になってきて、
ついに女の子が泣き出して、
男の子二人が必死になぐさめて、
そんなときに、私は一人ブランコと戦っていて、
今更”はずれなーい”とも言えない空気で、
もはや外れないことをどうにか悟られたくなくて、
私は心底楽しそうにブランコに乗ってやったけども、
その眼下で二人の男性に頭を撫でられてる彼女を見て、
登りつめると孤独になるんだ・・って言っていた元社長だった患者さんの言葉とか思い出して、
あたしは高く高くブランコを漕いだ。恋だー!
2005年 夏 加藤はいね (ヘィヘィ)