本を読む

今日はね、ほんとね、ガツンと言いたい。
なんならゴツンでもいい。


今日ね、本屋さんに行ったんです。


こう見えてね、三度の飯より本屋が好き。

いや、結構 飯の方も捨てがたいっつーか。
むしろ、飯あってこその本屋だけど。

何せ、何にも比べられないほど、本屋が好き。
(飯は別格にします)


で、まー今読みたいのは、ダヴィンチ・コードなんですけど。

もうね、「ダヴィンチ」とか書かれた時点でね、ちょっと玄人の感じじゃないですか。
そうそうないかんね、人生において「ダヴィンチ」に関する引き出し。

で、その上、「コード」とかね、
駄目押し。

もうね、パッと見で、素敵っぽい。

コードネームとかね、ゆくゆくは生活に取り入れていきたいと思ってた。


でね、慌て者はね、この時点で簡単にね手を出すよね。

私も正直、右手がピクっとした。
でも私くらいになると見定めるわけ。

表紙とかね、よーく見るわけ。

するとね、あれって、上と下がね、あるわけ。
いわば、二冊。

一冊とっても、横から見ると、厚さとかね、結構たくましい感じになってるのね。

もうね、モナリザについて、腱鞘炎になるくらい書ききってあるわけ。

私だったら、もう1冊目の10ページあたりで、モナリザに対する知識は出し切っちゃった感じになるね。
出がらし。

でもね2冊分書かないと、何らかのコードは出来上がらないわけですよ。

ダヴィンチ」とか題名でっかく付けちゃった手前、今更、10分で出来る料理とかについて書くわけにはいかないわけですよ。


そっからはもう自分との戦い。

とりあえず天下一武道会とか出てきて、モナリザがボールとか集め出すよね。

2冊目に差し掛かる頃には、地球の平和を守ったモナリザに宇宙から新たなる敵が・・!みたいな感じね。

で、宇宙の平和を守った頃には、なんと銀河系から新たなる侵略者が・・!みたいな展開で、

もう最後は何かよくわかんないけど、夕日に向かってみんなでジャンプ!みたいな締めで。


そんな感じででダヴィンチのことは、大枠つかめた感じなので、

まーダヴィンチにはダヴィンチの生活、私には私の生活、
おのおの頑張って行こうぜ。
何かあったら、電話くれよ、絶対だぜ。
くらいの言葉を交わしつつ、

いや、まー、ダヴィンチ・コードを無事スルーしたわけなんですけど。

そのあとも、店内の本を開いては閉じ、閉じては開きをしてたんだけど。


そんなうちに、知らぬ間に女性のエッセイコーナーに迷い込んだんですが、

もうね、キラキラしてるわけですよ。

やれ、ヨガで身体の芯からキレイになる!とか、
やれ、美しい人の言葉遣い だとか、
やれ、ダーリンがどうしただこうしただ、とか、

とりあえず、もうダーリンについては、どんなだろうと、もういるだけで!いるだけでっ・・!
鬼嫁だろうともう、結婚できてるだけで、ほんとっ、もうっ・・!

と思いつつ、足早に通り過ぎようとしたんですけど、


その中で

「切なくて各界で大絶賛!」

みたいな本があったわけ。


もうね大絶賛されるくらいの切なさってどんなよ、と。
どんだけ切ないのよ、と。


しかもね

「ノンフェクション!」

とか書いてあるわけ。
見逃せるわけがないわけ。


この世界にね、自分と同じ性別を持ち、かつ、
すこぶる しょっぱい目にあってる人の話なんて、もう読まなきゃ損!

なんなら音読してもいい!

と思って、手に取ったわけだけど、



ほんと、音読しなくて良かった。



もうね、1ページ目から、ベットシーンなわけですよ。

暗転に続く暗転なわけですよ。


もうね、男の手が、今どのへんをさまよってるとかがね、
地図帳よりも詳しく述べられてるわけですよ。

さまよってるっつーか、出発地点から目的地までの最短ルートの詳細さつったら、
もうナビタイムもびっくり。
みたいなベットシーンなわけ。

もうね、私にくっついて25年間
「がんばって」
「だいじょうぶだよ」
「私がついてるヨ」
って励ましてくれていた妖精さんが、多分、三人くらい逃げた。

とりあえず荷物はあとで取りに来るから、ぐらいの勢いで逃げた。


そんくらいの赤裸々さ。


でもね、ココで閉じたら負け。

だって私の隣で女子高生がさ、全く同じ本を手にとって、20ページくらいまで読み進めてるわけ。

思いっきり感情移入してるわけ。
たまに頷いたりしちゃってるわけ。

もうね10代にして、どんだけ理解力あるんだっつー話。


でも、私だってね、感情移入は得意としてきたわけ。


年金を収める年になっても、姫ちゃんのリボンで泣けるわけ。
魔法がバレちゃうよ!って焦ったりも、軽くできるわけ。

月9でも見ようもんならね、
25年間、鉄壁の守護神の恩恵に授かってきた貞操を投げ打って、

「カンチー、セックスしよー!」

くらいはね、スラッと口にできるわけ。

まー、カンチ役は現在全勢力をかけて捜索中なわけだけど。


だから、まぁ、読みましたよ。

男がどうしただの、あたしがどうなっただの。

もうね、どうしたもこうしたも、
ツイスターゲームでもそんなに絡まらないよ、ぐらいの絡みなわけ。

トラじゃなくても、バターになるんじゃないかっつーくらいの。


でね、そこでね、重大発言が書かれてるわけですよ。



「あたしは最後まで、その男の名前を思い出すことができなかった」



馬鹿なっ!


と。


そんなことが起こり得るのか、と。

だってさ、もうさ、すごかったわけ。
さっきまでの、お二人さん。
先走ってヒューヒューでも言おうもんなら、
酸欠になるくらいの長時間のヒューヒューですよ。

そんくらい思う存分見せ付けたあげくに、

名前も思い出せないって、
それ うちの祖母ちゃんレベルですよ。

あたしなんて、おつりを両手で渡してくる近所のコンビニの店員の名前だって、余裕で言えますよ。
坂本さんですよ。

それがあんた、手が触れ合ったどころの話じゃない。

それを、ほんと、もうさっぱり思い出せないって、
昨日食べた晩御飯のレベルを軽く逸脱してるよー。

川島教授も、まさか「今、抱かれてる相手の名前を思い出せますか?」とか、結構に言いづらいよー。


こんなことがまかり通ってるなんて。
ああ帰りたい。
帰って姫ちゃんのリボン読みたい。


でも、隣の女子高生が、本を置くまでは、
とりあえず私が先に本を置くことはできない、みたいな女の骨肉の戦いが始まってるわけで、

そっと彼女の出方をうかがってたら、
よく見ると、彼女の持ってる本と、
表紙のカラーが微妙に違うんですよ。

で、まぁ、よく見たら、これまた上下巻あるわけ。
いわば2冊組なわけ。

でもさ、1ページ目から思いっきりベットシーン。
思う存分ゴール決めてるわけ。
私の経験上、その先つったら書くことないわけ。


書くこと・・・。


あ、あったわ!



これでもう、全ての謎が解けた。
女子高生が夢中になるのも、無理がない。
先が読めた。



これね、多分、2巻あたりで、主人公がボール集めだす。


もしくは男と女のどっちかがサイヤ人化する。



そんな本だったら、買おうと思いました。



買いませんでした。