東京電力とあたし

東京電力の人と、あー付き合いたい。

付き合って、分かり合いたい。
二人の間にあった わだかまりを解消したい。


だーかーらー、金払う気あるっつーの!


耳をそろえて払うっつーの。



穏やかな昼下がりを引き裂く怒涛のピンポン。

まず都合ってものがある。

そっちはそっちで、大変だろうけど、
こっちもこっちで、結構ね、必死でね。

髪の毛ね、猛烈にシャンプーしてたっつーの。

思いっきりノーマーク。
あられがあるかっつったら、無論無いです。


明日また来て。
14時くらいに来て。
ぐらいの勢いで、入浴してたんですけど、


これね、結構ね、しつこめ。

Bボタンと間違えてんじゃないかっつーくらいの連打。

来訪者の少ない我が家の一年分ぐらい軽く超えるピンポン。


でね、なんつーの?匠っつーのかな?
私くらいの1人暮らしの達人になってくると、
もうね、ピンきてるわけです。


そういえばさ、東京電力の野郎から、何らかのレターが来ていたな、と。


4月分まではお振込みいただいてるのですが、1月分がまだ支払われていません。

とかいう難易度高い手紙が。



そう思った瞬間、暗転。


ブッチリと電気、消えました。




もうね、もうね、も う ね 、三度目。

電気止められんのも、三度目。



あのですねー、

あたしと東京電力もそろそろ4年目の仲。

何らかの恋とか生まれてもいいぐらいの年月。

恋を通り過ぎて、あいつとは何か今更恋愛とかじゃないよ、ぐらいの

えー仲いいじゃん、付き合っちゃえよー、ぐらいの

あいつはそういうんじゃないんだよ、ぐらいの


仲だっつーのに、いつまでたっても初々しいばかりに、
毎回、ほんと、仕事に私情を挟まない。


そろそろさー、

あーあいつ、1月分だけ払ってないっつーことは、
まーたー1月の振込用紙なくしちゃったなー、このー。

ごめーん、確かこの辺に置いてたと思うんだけどなぁ。

ったく、見せてみろって

いーよー、あたしが見るって

いーから、俺が見るから

いーってば・・・あ・・

ば、ばか!離れろって

も・・もう離れたくない!


ぐらいのフランクさで付き合っていきたい。


それが、もう、ほんとね、この展開、飽きたっつーの。


うちのお風呂は電気でお湯を沸かしてるっつーの。

シャンプーの途中で、シャワーのお湯がガックリ力尽きてるっつーの。

後は・・頼む・・な・・って出てきてるの、すこぶる水だっつーの。

修行僧かー!


修行とかね、ほんとする気ない。
現状維持で満足。
等身大バンザイ。


で、まあ、宮沢りえも凌駕するほどのヘア丸出しで、
つーか軽くヘア以外のものも丸出しで、

振込用紙探したんですけど、

1月のもんが、4月なんかに見つかるわけもなく、
とりあえず、そのへんにあったワンピースをひっ掴んで、
実家に非難したんですけど、
そりゃもう自転車でかっとばして、

んで、信号待ちで、ふっと見たら、
なんかさ、
すっごいリラックスしてんの、あたし。

エストの締め付けとか、
ファスナーのきつさとか、
微塵も感じないの。

でね、よく見るわけ。

もしや痩せたかしら?くらいの期待を持って。

したらさ、ワンピースだと思って着てたものが、
ネグリジェだったときにはもう、


キャー
キャー
キャー
キャー


毛穴という毛穴から血が噴出すくらい恥ずかしかったです。