「加藤」という苗字は結構多い。
これは「佐藤」や「鈴木」なんて家庭に生まれてしまった人も背負う宿命であると同時に、勝手に封切られた戦いのファンファーレなのだ。
つまり腐るほどいる「加藤」の中で、誰が代表的な加藤になるか、ということだ。
「加藤」と言えば、あの人!みたいな。
それに選ばれなかったその他大勢の「加藤」は、忘れられ去られ、そして廃れ、寂れ、『そう言えば加藤って苗字って結構多いよね』の中にのみ存在する「加藤」に埋没していくのだ。
私はたまたま「はいね」って名前に生まれ、クラス替えの度に
『ねぇねぇハイネちゃんってスゲー可愛い名前の子ってどれ?
・・・ぁ・・あの子・・・そうなんだ・・・』
みたいな、ある意味ちょっとオイシイ星のもとに生まれ、この『加藤合戦』の渦中にいながらも、ちょっとしたシード校みたいな扱いだったと思う。
それでも私だって日々意識して生きているのだ。
加藤に架せられた人生のレース「加藤争奪戦」を。
私の小学時代。
「加藤」という苗字は、その全盛期だったある男の牛耳られていた。
加藤茶だ。
あいつがチョビ髭つけて踊るたびに、
ピンクの照明の下「ちょっとだけよ〜」と悶えるたびに、
全国津々浦々の加藤一族は目を背け唇を噛み、震えた。
「加藤」はごくごく誠実で生真面目な部族なのだ。
それがアイツの愚行によって、善良な加藤たちがお天道様の下、歩けない思いをした。
私は未だに鼻の下に二本指を持っていかれるだけで、逃げ出したい気持ちになる。
でも加藤一族は負けなかった。
今では「加藤あい」や「加藤晴彦」などを排出し、世の中の加藤のイメージを中和、向上させた。
(あ、こら加藤鷹!その指!)
そう私はこの過酷な「加藤」争奪戦を生き抜くためにHPを開設したに他ならないのだ!
(って今、思いつきました。)
そんな私の最近、専らの目の上のたんこぶは『加藤ローサ』。
1985年6月22日ナポリ生まれの19歳。蟹座のA型。16歳でモデル活動を始め、数々の女性誌で活躍中。2004年1月から放送された「ゼクシィ」のTVCFでblog界を中心に一躍注目の的となる。
ナポリ生まれの加藤て!
しかも「ローサ」てー!
なになに武器は「天使の笑顔」ー!
でましたー!
ちょっとー加藤一族のみなさん聞きました?
生まれてこの方そんなたいそうなモン標準装備で生まれてきた加藤いる?
え?なになに福島方面の加藤。おっきい声で発言して。
なに?うちのばーちゃん?
そんな本格的な天使の話じゃないですよー。
もう他人事じゃないんですよ。
ただ加藤ってだけで、こんなカワイコちゃんと同じフィールドで戦わせられるんですから。
「同じ加藤でも全然ちげー」とか言葉の暴力ですからねー。
つまりね、私はね常々言いたいんですよ。
椎名とか新城とか柏木とかカッコイイ苗字に生まれ育ったボンボンたちに。
あんたの会社の影薄めの加藤課長とか、あんたのクラスの目立たない加藤くんとか、パートの加藤さんも、どんだけデッドヒートの過酷なレースを生き抜いてきたか!
そして生き抜いていくか!
涙なしじゃ語れませんからーそのへんお忘れなくー!
以上、加藤はいねでしたー(天使の寝顔)。
こらー!今「結婚すれば?」って言った人ー!
それも言葉の暴力ですからー!